シャマラン作品だし、ある程度のクオリティは確保されておるだろうと安心して観た。結果、やはり納得のクオリティ。おもしろかった。
なんといってもジェームス・マカヴォイの演技がめちゃめちゃ光ってる。先生とのカウンセリングで別人格を疑われて取り繕おうとするシーンや、ラストのひとり対話シーン。表情や姿勢だけで誰なのかがなんとなく分かる。ひとつの肉体が、人格によって性格だけでなく体質も能力も変化するという、この映画の重要なテーマの信憑性が彼の演技によって保証されていた。
そしてアニャ・テイラージョイの目も良かった。いちばん良かったのは、冒頭の、まったく知らない男が車の運転席に現れて、涙をいっぱいためて震えているシーン。この映画っぽく言うならば、まるで、“ライフルの銃口を向けられた小鹿“を思わせる。しかし、怯えているだけに見えた少女は、脅威となる相手にライフルを突きつけるほどの勇敢さもあった、、、というところもポイントなのだろうが。
気になったのは、ケイシーとケビンの一騎打ちシーンのラスト。ケイシーの虐待の傷を見て、お前は違う、汚れていない(詳細なセリフは忘れた)てなことでケビンはケイシーを見逃した。解せん。
虐待されたことで、自分を守るための力、、、ケビンは24の人格を、ケイシーは銃を手に立ち向かう強さを、身に付けたということで仲間と認めたということだろうか、、、。心に傷を負った者同士と、、、。しかし腑に落ちん。
あと、ラストで分かりやすく『ミスター・ガラス』への伏線がくっ付けられているという展開は、興醒めしてしまうので、あまり好きでないけれど、分かりやすいのは悪くないので、ちゃんと『ミスター・ガラス』を観ようと思う。
その前に『アンブレイカブル』も観なくては。