関ケ原の戦いの一部始終とそこまでに至る経緯を、石田三成と、その配下の女忍者はつねを中心に描く。
長くてセリフが早口で分かりにくいと評判が悪い本作だが、私は面白く見ることができた。早口のセリフ、バタバタと切り替わる場面は、長尺の作品を退屈せずに見せる手段なのかもしれない。ドキュメンタリー風のドライな展開も見やすい。アップの少ない遠目から眺めるようなカメラワークも時代劇としては新しい。役者陣では島左近を演じた平岳大が一皮剥けた演技を見せていて、そのうち主役を張る役者に成長するのではと思わせる。一方、主役を張る岡田准一は、演技は申し分ないが、いかにも小さい。あと10センチ身長が高かったら、もっといろいろな役柄を演じることができたろうに、残念なことである。
