都市に棲息する現代の若者たちの寄る辺なき青春群像。俊英・石井裕也監督だけはありテクニカルな演出で、東京郊外の孤独や疎外、貧困といったダークサイドを切り取った好編。
池松壮亮はあまり好きな俳優ではないが、本作ではいい演技を見せている。ヒロインの石橋静河も良かった。先輩の松田龍平が工事現場の最中で転んで死ぬシーンは秀逸。
最果タヒの原作の詩集はあまり読む気がしないが非常に「ナウ」みたいな雰囲気があり、イマドキ感に拍車をかける。ちょっと演出に落ち着きがない印象もあるんだが、まあまあ及第点の邦画だと思った。また、飛び抜けて画作りのヘタクソさが際立っている辺りがこの監督の特徴でもある。(笑)