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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのSPNminacoのレビュー・感想・評価

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ロシア帝国時代、北極海で消息を絶った祖父を捜索するため冒険に出る少女。世界名作劇場を思い出す、シンプルでスケール大きくて、品のあるアニメーション。バンド・デシネやエルジェ「タンタンの冒険」のような色彩センスとコントラストで、氷山や吹雪など雪の表現がとても豊かだった。キャラクターのすっきりしたデザインも寒い景色によく似合う。
主人公サーシャが船で出航するまでが結構長く、逆に言えばそこまでにもう冒険は始まっていて、既にサヴァイバルだった。親の言いつけで踊る舞踏会や船乗りたちの冷たい仕打ち、なすがまま大人しく黙っていられない女の子はそこから逃げて逞しく成長する。手を差し伸べてくれるのは、バールの女将や一番下っ端の少年。次第に自信をつけて、バリバリ仕事をこなしていくシークエンスが楽しい。自力で道を開拓する術を身につけたら、怖いものはないのだ。
だからこそ、ゴールは感動の再会でなくてもいい。サーシャは目指す北極点に到達したから。エンドロールが『アルマゲドン』風だった!
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