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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのgintaruのレビュー・感想・評価

4.6
2023年1月1日(日)13時よりNHK Eテレ放送の録画視聴。
よいアニメだった。キャラはアニメ的にデフォルメされて絵本のような世界だが、背景はリアルだ。色調が落ち着いたトーンで全体的に美しい世界観を表出している。序盤のロシアのサンクトペテルブルグの街並みや屋敷の描写も美しいし、北極圏の風景も独特の感覚で描写され素晴らしい。
ストーリーも面白い。少女サーシャが、北極圏を目指してダバイ号で冒険に出て行方不明になった船長のおじいさんを探す旅に出るというもので、1時間ちょっとの尺だがよくまとまっている。
食堂の女将さんとサーシャのやり取りは宮崎アニメでもありそうな雰囲気だ。1か月間の住み込みでサーシャが成長していく様が簡潔だがうまく描かれている。
北極圏で船が座礁し、ダバイ号を探しに北極圏を縦断する様は、以前読んだシャクルトンのエンデュアランス号漂流記を思い出した。風景、危険な旅、極限状況での人間ドラマなどがこれもまたうまく描写されていた。
キャラクターの描写は全体的に淡白で、主人公の少女サーシャにしてもそうで感情移入はしづらいと思う。この辺は好き嫌いの分かれるところだろうか。
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