Femind

ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女のFemindのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

戦争と時代の流れに翻弄された皇女の人生は見ていてとても辛かった。
戦時中、世界中が理性を失って暴走している中、立場上政治の道具とされて一心に祖国を想いながら帰国を願って日本からの出国を許されなかったその時間の長さを、その立場に追いやってしまった日本という自国の過去の大きな過ちを、心底悲しく思う。
日本と韓国の間には、大戦中の様々な火種があり双方の歴史観が異なるが、改めて真実だけを忠実に残して教科書にして欲しいと思う。(日本も、韓国にも)
日本は皇族が外国に人質のようにだされる事がなかったから、今も皇族の歴史は続いているが、この事は本当にありがたいことなんだという気づきにもなった。

そしてソン・イェジンの、民衆の前でのスピーチの皇族としてのカリスマ性や、老いてかつての美しさを失い、丸まった背中と弱々しい足取りの姿など、兎に角抜群に存在感、リアリティがあって彼女の演技力の幅に感動した。
覚束ない日本語の発音はご愛嬌としても、素晴らしかった。
演技力の点で言えば、この作品が私が見たこれまでの彼女の出演作の中で1番かもしれない。
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