とんぶり7

十三人の刺客のとんぶり7のレビュー・感想・評価

十三人の刺客(1963年製作の映画)
4.2
現在は高規格トンネルが開通した権兵衛街道(国道361号)も、一昔前は「酷道」ファン垂涎の悪路。
トンネル開通以前は林道が「暫定国道」指定されていてなんとかクルマが通行できたけど、本当の国道はケモノ道のような点線区間(点線国道)でしたナ。

ターゲットの明石藩主は木曽街道(国道19号)上松宿で「こっちくんな」って追い返されて仕方なしにこのゴンベエ峠を抜け、伊那路(国道153号)へ。
フツーなら三州街道(飯田街道)で足助、岡崎に抜け東海道で・・というコースとるのがスマートだけど、
あのプライド高い藩主なら苗木藩(今の恵那中津川あたり)にアイサツするはずやってなわけで、片岡千恵蔵率いる刺客たちは藩内の落合宿を丸ごと買い取り(!)
宿場町を袋小路の要塞にするというムチャな力技で迎え討つ!

語り草になっているラストのリアルな戦いは勿論のこと、舞台の地理がある程度分かっていると中盤の展開も滅法面白いデス。
大平街道や神坂峠なんてのもでてくるし。伊那路と木曽路を結ぶ道の数が当時も現在も変わらないってのは、中央アルプスの険しさを物語っていますね。

剣の達人だった西村晃が刀を折られた途端に無様に逃げ回って背中を斬られて斃れ、斬った奴は気が触れて泥まみれの水田でのたうち回る。ズームアウトするカメラ。
このシーンの素晴らしさは白黒映画ならでは!

集団抗争時代劇第2作目の「大殺陣」がついに来年3月DVD発売決定^^ これもまた凄まじい映画なんだよね~。買わなければ・・。