momo

ユニコーン・ストアのmomoのネタバレレビュー・内容・結末

ユニコーン・ストア(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

Netflixで鑑賞。
⚠️ネタバレ有りです。
Netflixオリジナル映画の中では特に印象に残った作品です。
主演のブリー・ラーソン自身が監督を務めたのもあり気になって見出したら何度も繰り返しみてしまいました。
この作品は伝えたいことがハッキリしてはいません。
観客の解釈の仕方で好き嫌いが分かれてしまう映画だと思いました。
私は美術学生だった事とその中でなかなか自分の個性を先生に認められなかった経験があります。同じ思いをして自分の人生の目標を見失ってしまう主人公のキッドに激しく感情移入をしてしまいました。
個性というものは時には受け入れられ高い評価をされる。だが一旦否定され個性というものを押し潰されてしまうと一体私はなんなのだろうかという感情と共に派遣会社で働き始めるキッド。そこでユニコーンストアからの招待状が届く所から話が広がっていきます。
子供の頃からずっと憧れていたユニコーンを飼えるかもしれない、一生の親友になってくれるかもしれない、新しい希望と目標が生まれキッドのイキイキとした表情、それと反対に会社でのツマラなさそうな表情が交互に場面で切り替わります。
現実と幻想を行き来する。まさに大人になりきれていない主人公の直面する壁です。
(支配人役のサミュエル・L・ジャクソン)からユニコーンを飼うための条件が何個か課題として出されていきます。その条件を全てクリアできればユニコーンを正式に迎える準備が整うという設定です。
ユニコーンに適切な環境作りをキッドが前向きに一生懸命に進めていくのですが、《ユニコーンの住める小屋を建てる》《家族と良好な関係を作る》《ユニコーンを愛で包む、憎しみは持ってはいけない》これらのルールは全てキッドに関係することなんですね。
ユニコーンの為と思って準備を着々と進めていくキッドですが、物語が終盤になると遂に本物のユニコーンと会えるのです。
子供の頃から会えるのを心待ちにしていたユニコーン。自分を理解して大切にしてくれるのはユニコーンだけだと思ってきたキッドはその時初めて気づきます。
今までユニコーンを迎えるために自分がしてきた事が全て自分の周りの人との繋がりに関係している事、そして自分は決して独りぼっちではないということを。
そしてキッドは決断します。
私にはユニコーンは必要ないと。

私はこの映画が大好きです。
人と違う独創的なアイデアが思いつく人ってとても素晴らしいと思います。
人それぞれで違う生き方や違う物の見方をしてきたからこそそれぞれに違ったその人自身の世界観が生まれていくんだと思います。
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