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グレタ GRETAのmomoのネタバレレビュー・内容・結末

グレタ GRETA(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

久々に見応えのある映画でした。
終始画面から目が離せず、あっという間の2時間でした。クロエちゃんの演技力の凄さを改めて感じる事ができた作品です。
フランシスとグレタの友達を超えた親子の様な関係性と歪んだ愛の行き着く先には一体何が待っているのか...観た後に色々と考えさせられました。愛ゆえに歪んだ感情を押し付けてしまうグレタ。観ていて終始本当は悪い人ではないのではないんじゃないか...とふと思ってしまっていた自分がいました。ですが同時に実際こういう体験をしてみないと分からない感情、怯え、人間の怖さがあるんだなと。
私達は画面越しに彼女達の行動や心理を『第三者』として見ているに過ぎず、だからこそフランシスとグレタの両方の感情や人間性について考えられるのかなぁとも思いました。
劇中でフランシスと友人はグレタの事をサイコパス女と言っていましたが、私は他のサイコパスとは少し違うなと感じました。
確かにグレタは自分の理想や目的の為に必要以上にフランシスを追い詰めてしまいますが、フランシスがグレタを怪しいと思うまではお互いに良好な関係を築けていて、フランシスもグレタと喜んで出かけたり食事をしたりしていました。
サイコパスには愛情はありません。
ですが、グレタには十分過ぎると言っていい程の愛情がありました(歪んだ愛ではありましたが)。
なので行き過ぎた依存型の人間なのかなと思いました。フランシスをなんとしても自分のものにしたいという感情が強く、決して殺す目的で誘拐しているのではない。
フランシスに『自分自身の事を否定された』→『グレタは必死に謝ろうとした』→『しかし謝罪も弁解もさせてもらえなかった』→『ストーカー』→『誘拐』という手順でしか近づく方法がなかったのかなとも思ってしまいます。
長くなってしまいましたが、この文面だと全面的にグレタを擁護しているように聞こえるかもしれませんが、そうではなく、グレタのした事は決して許される事ではありませんし、まだ若いフランシスの心に一生残ってしまう傷を作ってしまった事は間違いありません。
ですが、意外とこの様な体験をされている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
私はそのように感じたので余計に考えさせられました。
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