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ANTIPORNO アンチポルノのtheocatsのレビュー・感想・評価

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
2.0
園子温のパフォーマンスアートと見做せば良

予め園監督の日活ロマンポルノリブート作品と知らなければ見なかったであろう。
一度は断った仕事だが「アンチポルノなら撮れる」という監督の言葉を言質にとられ撮影させられてしまった、という感じがありあり出ている。
「なら好きにやらせてもらう!!」という投げやり気味の雰囲気にある種の面白さはあったと思えなくもないが、映画としての総評は一つ星。

ヒロインの肉体はいやらしいと言えばそうなるが、美しさを感じることが出来なかったのは個人的に痛恨。表情もセリフも何とも言い難い不味さ(可愛くないキレイじゃないという意味ではない)。
撮影場面という設定の中でも監督やベテラン女優からさんざん罵られていたが、それはそうだよなとこちらも納得。
終盤に立場逆転でベテラン女優がヒロイン、最初のヒロインが秘書メイドという設定になった時に、しっくりはまる感が出たのはちょっと面白い経験だった。
以上は小さな要素に過ぎず、全体的ストーリーに込められた園監督の主張は明確に把握できたとは言えないし、何らかのメッセージを監督が強く込めたというものでもなさそう。

ラスト間際のヒロインへのペンキぶっかけシーンがイブ・クラインのパフォーマンスアートを彷彿させつい吹きだしてしまった場面。ただし、色を重ねすぎて汚いドブネズミ色になったヒロインがのたうち回るのは美しくはなかったけれど。

一つオッと思ったのが脇役:筒井真理子さんのフルヌード。美しいとは言わないがヒロインよりエロサがにじむ肉体にこれならロマンポルノとして価値ありと感じましたね。視聴後に急ぎ調べて撮影時点では50代半ばと知るが、文字通り体当たり演技には称賛。

ポイントプラスで総評二つ星

012009
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