どこかしらの国に属し何かしらの組織にまた属する者たちのそれぞれに抱いている大義及び正義が交錯する事で展開するドラマは見もの。
腹の探り合いに化かし合いといった緊迫感がそれはそれは見事なわけだが、様々な人種や階級の者が集う列車内部において、トイレから男が2人出てきたら…、他人の赤ちゃんのオムツを変えていたら…、といった様にその渦中にいる者たちだけで完結させるのではなく、彼らの大義のバックグラウンドにあるだろうにも拘わらず何も知らずに巻き込まれてしまった部外者として存在する民衆の彼らへの反応を描いているからこそ深まるものがある。