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BLEACHのmarimoのレビュー・感想・評価

BLEACH(2018年製作の映画)
2.8
オトナの事情が痛いほど伝わってくる、ヒットへの執念に満ち溢れた作品でした。
その想い、観客にダダ漏れなんだよね。。。

佐藤信介は可哀想な監督だ。

きっとCG特撮作品を予算内で上手くまとめ上げる術に長けているのだろう。
安定した続編コンテンツを手にしたいワーナーの要求を受け入れつつ作品を作れる手腕。
製作陣からはさぞ重宝されているのだろう。

「いぬやしき」の時に、もう何も期待していない。なんて言ってゴメンね。
よく、頑張ったね。

でもね、つまらなかったよ。

虚(ホロウ)や、恋次との戦闘シーンはたしかに迫力もあって凄いのですが。。。
本作、オトナたちの想いはともかく作品として、そもそもストーリーを真面目に作る気は無かったのだろうか。

原作からの改変ポイントが、何一つ良い方向にに転んでない。改変する上での矛盾とかを精査してないのか、登場人物の行動に違和感が。。。
ビジュアル先行型の改変。ダメです。

虚(ホロウ)の登場回数が少ないのも予算的な問題なんだろうな。とか、恋次とか白哉とか出したのも虚(ホロウ)との戦闘シーンを描くよりも予算がかからず、かつ原作人気キャラと(制作側目線)で良いこと尽くめ。とか。

映画として物語をまとめ上げることよりも、そこら辺に気が向いちゃってるのが少し残念。

グランドフィッシャーは一護とサシでやってなんぼだし、雨竜とのエピソードを中途半端に絡めちゃダメ。

原作をビジュアル的には実写として昇華してくれたことに素直に感謝しつつ、貴重なコンテンツをその場しのぎで消化してしまうことに苛立ちを感じる、そんな日曜日のレイトショーでした。

興行的に続編は作られないだろうし、だから目に余る続編への伏線とか、ラストのタイトルバックに「死神代行編」と出しちゃう強気なノリは観てるこっちが恥ずかしくなってしまう。

こうしてまた日本映画のCG技術向上の糧となる作品が産み落とされましたとさ。
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