Poniha

遠い夜明けのPonihaのレビュー・感想・評価

遠い夜明け(1987年製作の映画)
4.2
劇場公開時に観て、自分の知らない世界で起きていた余りにも不条理な状況に衝撃を受けた作品でした。監督はリチャード・アッテンボロー、主演ケヴィン・クライン、デンゼル・ワシントン。デンゼル・ワシントンは本作品でアカデミー賞に初ノミネートされました。当時35歳くらいなので、TENETに出てた息子ジョンと同じくらいの歳ですかね。
南アフリカの新聞社の編集長ドナルド・ウッズの実体験をもとにし、冒頭でこれは全て事実であると言い切る作品。。

1975年南アフリカ、ケープタウン、公衆衛生の名の下に黒人居住区を襲う白人警官、逃げまどう黒人たち、ブルドーザーで破壊されていく掘立て小屋という衝撃的なオープニング。

新聞の編集長ドナルド・ウッズは、黒人活動家スティーブ・ビコについて、白人差別主義者だという記事を書いたが、数日後、黒人医師ランペーレから、「あなたは何も分かっていない。ビコと直接会って話しをするべきだ」と諭される。
そしてウッズは若き黒人活動家スティーブビコと知り合い、黒人たちの話を聞くうちに、白人として自分は何をすべきなのかを考え行動を取り始める。しかし南アフリカを変えるため、黒人としての誇りを持ち、白人と対等の立場を勝ち取るために命がけで戦っていたビコは警察に捕まり、やがてウッズ自身や家族にも警察の手が伸びた。。

ラストは、現在の南アフリカ国歌にもなっている「アフリカの歌」とともに、拘束中に死亡した数多くの黒人活動家達の名前、没年、享年そして、“政府発表”の公式死因で締め括られます。
このビコを含む無数の犠牲者を見ると、マンデラ氏が大統領になったことに深い感慨を覚えます。
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