バカよあなたは

傷物語Ⅲ 冷血篇のバカよあなたはのネタバレレビュー・内容・結末

傷物語Ⅲ 冷血篇(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

キスショットはアララギを喰らうことも出来るけれど、アララギのために死ぬことを選んだ。アララギはキスショットを手にかけることを拒んだ。

アララギは何も選択していない。アララギ暦の感情をそのままに発露して、忍野が上手く意図を汲み取った提案をしてくれた。それに一方的に巻き込まれたのがキスショットだ。またアララギにキスショットが隠し通したかった意図を伝えたのは羽川であり、これは彼女の自負する通り自己中心的で自己満足な行動だ。

今回の話はあらゆる面で救いがなくて、いいよね。


人間に戻る前にキスショットと最後の談笑をする(ここの妖刀心渡のクダリはよくわからない。怪異を斬る大太刀ならアララギは斬られるはずでは?)。ついでに最後の晩餐をと買い出しから帰ったアララギは人間を食べるキスショットを目撃し、激昂する。

アララギはキスショットを助けた責任を取り自ら命を断とうと決める。しかし、羽川の説得でキスショットを討つことを決める。

アララギとキスショットとの対面。アララギは吸血鬼として生きる気はないと、キスショットは人間は食糧だと啖呵を切り、互いとの訣別を示す。

決闘の最中、察しのいい委員長が何か気づいたところで、キスショットはアララギに瀕死に追いやられる。

キスショットがわざと負けて、アララギを人間にしようとしている意図を知り、トドメを刺すことを躊躇う。

そこで忍野を呼ぶと、誰も幸せにならない方法ならあるよとキスショットをギリギリで生かし、アララギもギリギリ吸血鬼でいるという方法を提案した。

キスショットはアララギの血を吸えばいつでも復活できるわけだが、彼女は力を捨て、永いときをアララギと過ごすことを選んだのである。