悪い奴らの悪い奴らによる悪い奴らの映画。
監督が、普通のノワール映画などですぐ殺される一瞬しか登場しないようなザコキャラを主役にして映画を撮りたい、的な言っていたように悪い奴と悪い奴の間に挟まれ良いように使われるだけの小物が主人公です。
新鮮なのは、主人公とはいえ能力のないザコキャラなので絶対的な限界があるということ。
こちらが観てて不憫になってくるくらいに、たいして頭もよくない、たいして強くもない、場当たりで上手くいかない。
なので当然といえば当然のように、最後まで救いのない映画ですが、ここまでやれれば大健闘じゃないですか、これ。
だってたとえ勝負に勝てる器じゃなくてもザコキャラなりに悔しいじゃないの、バイオレンスの嵐が吹き荒れた去った後のラストは心の中で拍手したくなりましたよ。
アクションとバイオレンスは最近の韓国映画の中でもかなりキテる方でした。
最後とか地獄絵図のような、皆が皆暴れまくり息が切れて、小休止の後また殺し合うとかなかなか見ないですね。
「ベテラン」では主役の熱血暴力デカ、「コクソン」では強烈な祈祷師を演じたファン・ジョンミン、今作も汚職大魔王である市長を素晴らしい怪演してました。
あと、これを日本でやるなら主人公にしっくりくるのは西島秀俊あたりでしょうか。
