せいけ

アシュラのせいけのレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
4.3
悪事に手を染めた人たちの哀れな末路を描く韓国ノワール
悪徳市長と検事の板挟みになる主人公、ハイテンションなゴア描写はどうしたってスコセッシ作品を想起させる
主人公が悪に染まるまでの過程を一切描かない代わりに後輩をその道に引きずり込む描写や市長と奥さんの関係で過去を想像させる人物配置が本当にうまい
なんと言ってもこの映画最大の魅力は市長の骨の髄まで染み渡る悪人ぶり
まさにファンジョンミンオンステージ
食べ物の扱い、脅し文句、軽薄なお人好し演技全てから極悪非道な臭いがプンプンすてなおかつ強者だと感じさせる
正しくないものを正しくないように描いているので落としどころはあそこしかないと思う
ただラストのアクションはやや鈍重な気がしないでもない
市長と検事、主人公と後輩の決着をテンポよく見せて欲しかった気持ちもあるけどそれを補って余るくらいの魅力はこの映画にはある