風来坊

スタンドオフの風来坊のレビュー・感想・評価

スタンドオフ(2016年製作の映画)
3.5
偶然に殺しの現場を目撃し犯人の顔を撮影した少女は、命からがら荒野に建つ一軒家に逃げ込む。心に傷を抱えて孤独に生きる元軍人が、冷酷な殺し屋から少女を守るため、壮絶な闘いに挑む姿を描いたアクション映画。

現実をファインダー越しで見て和らげようとする少女が可愛い。元軍人と殺し屋とのファーストコンタクトも好きですなぁ。古い一軒家で2階に行くにはひとつしか無い階段という設定が活きていて、単純な対決でなく籠城戦や交渉戦の様相を見せているのが面白いです。緊迫感に溢れる映画ですが、水の件など箸休め的にある笑い要素や少女との会話がアクセントになっていますね。

ジャンルはサスペンスアクションとなっていますが、主要登場人物は数人程度で物語の展開の範囲も狭いので地味で人に寄っては飽きる部分かなとこの辺が低評価の原因かなと思います。個人的には会話劇によって徐々に明かされるカーターの素性や殺し屋の背景や少女の生い立ちなどが面白く感じました。

後半は場が持たないと思ったのか、新たな展開を入れて来ますが効果があったかは微妙。私はそのまま2人だけの闘いにした方が良かったのではと思う。(ただああいう展開にしないと終われないかな)
トーマス・ジェーンは失意から立ち上がる男を演じるとホントに様になる俳優さんですね。ローレンス・フィッシュバーンも冷酷な殺し屋を粘着質に演じていて見事。

ほぼ展開が決まりきったようなお話しではありますが、2人の会話と駆け引きがこの映画の魅力かなと思います。個人的には結構楽しめた映画でした。
風来坊

風来坊