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君の名前で僕を呼んでのkazeのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

余韻がすごいのであんまり、かきみだしたく無いのですが、ファーストインパクト備忘録

✴️もっとさわやかでプラトニックな仕上がりかと思いきや、お堅い美術品×背徳的な性愛=神話?という、濃厚で芳醇な果実や花の甘い香りのような蠱惑的な仕上がりで、それこそ完熟アプリコットジュースを飲んだかのような心の栄養を得ました。
(個人的な癖なのですが、お堅めなギリシャ神話や古代彫刻を本で読んだりして、背後の甘美な世界観を妄想し、コントラストを楽しむという謎の癖があるので、そこにハマりました)
めちゃ流行った作品なので、添加物的な甘さを感じるだろうという偏見がありましたが、
そのへんに成っている果実をもぎとって食べたら、野性味のある青臭さやえぐみ、酸味がのびやかな甘さを引き立て、売り物と比べ物にならない美味しかった、みたいな良さでした。そういう樹がはえてるって、都会じゃまず無理なんですよね。そのへんに低木の果物の樹がたくさん生えてて、おやつに食べる、というよさでした。つまり、家族団らんの裏で、庭や自室で大好きな年上と毎晩甘美にいちゃつけるという良さです、毎度デート楽しむ、とかではなく、、、、、家の庭デート、、、、。
ポスターの真っ青×レモンいろ、のイメージはみおわってみると無く、
くすんだピーチピンク×宵闇の薄い紺×果樹の緑×焼けた本の茶、みたいなイメージでした。ノスタルジー。

✴️飲んでいる飲み物がすべて美しくてきになります。冒頭の飲みかけの青いソーダ、大きなジャーで皆にサーブされるフルーツジュース、小腹満たしのスムージー、、、、、。
舞台自体が完璧に美しく安心感のある楽園みたいな田舎の夏休みなのがまずすごく沁みました。田舎育ちは刺さるかもしれません。

✴️田舎での夏休み、親戚が集まる家にすごいかっこいい人が、、、、みたいな感情にフォーカスされる。安心感ある避暑地の家で、家族にかこまれて、自室でこっそりズブズブのひとなつの年上との恋を完走するというエロさはなんかもう世間で口にできないものがあると思って、こんなものをみていいのかとおもいました。

✴️恋愛、、というより愛、、、というか
人間の内の衝動、、、、ピュアというか郷愁というか ひょうげんがむずかしいのですが
関係性に終始して観ると味気ないのが隠し味、みたいな、、、、、理性VS性愛(性的な興奮という意味ではない)で性愛側が完勝、というか
シャラメ氏が神話の絵画のeros/cupidにしかみえないのがそうおもわせるのかもですが
心酔、という感じ
人間、が愛の衝動性やそれにまつわる弱さをどうしようもなく抱えている、という哲学的で高尚な思想を、自分の親が持っていて、その思想のうえで息子のアバンチュールを包括してみまもってくれてるのもなんかすごい壮大かつ深淵で根元的にエロいなと思いました。
家、という、自分のいちばん柔らかく爪を立ててはいけない部分が対外的な顔となる場所で、ズブズブの恋愛をするとこんな、、、、こんなエロさと当然の生傷をたくさん負うとは。もうね、、、、。
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