札幌ガエル

君の名前で僕を呼んでの札幌ガエルのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
スコア/吹き替えは2.0 字幕は5.0

これは絶対字幕で見てほしい。
基本、吹き替えも字幕もどっちもの良さがあるし、どっちでもいいと思っていたが、
この映画を見てこの映画は絶対に字幕で。って思ったし、これから洋画全部字幕で見ようと思った。

↓映画感想

1983年、北イタリア避暑地。17歳エリオ、
アメリカからやってきた大学院生24歳オリヴァー。を念頭に見てほしい。

エリオが「エリオ」と言いながらオリヴァーを呼び、
オリヴァーも「オリヴァー」と言いながらエリオを呼ぶ。
この2人だけの秘め事に、
2人だけの最大の愛を感じた。

最後電話でオリヴァーが
「君は運がいいんだよ、僕だったら親に矯正施設に入れられてる」って所で、今でこそLGBTの理解が広まって、海外は日本よりもっと理解があるって言われてるけど、
1983年、理解にはまだまだの時代に2人は2人だけで愛し合うしかなかったんだなと思った。

電話口で何度も「エリオ」と呼ぶエリオに、
一度だけ「オリヴァー」と呼ぶ「オリヴァー」
吹き替えで見た時は、エリオが可哀想で罪悪感で仕方なく「オリヴァー」とオリヴァーは言ったのかなと思ったけど、

オリヴァー本人の声での
溜め方や言い方、エリオの受け止め方で、
そうではないんだなと思えた。

エリオはきちんと理解している様子だからこそ、見ていて辛かった。

アメリカで理解されないであろう親を持つ24歳だったオリヴァーと、
イタリアで運良く理解される環境にいた
17歳だったエリオ、
まだまだ2人は愛し合っているんだなと。

結末のオリヴァーの判断は正直腹がたつけれど、理解してやらないとなと思った。



↓字幕の方が良い理由

声優が演じたエリオ、オリヴァーと
私が字幕映画で感じるエリオ、オリヴァーは別物だった。

上映当初これを吹き替えで見た時は、
何か物足りなさを感じて、すっごい評価されてるけど、こんなもんか?って
「なんだよオリヴァー、遊びかよ」ぐらいに思ってたけど、

今日字幕で見返すと、
こんなに良い映画だったっけ?ってなったし、全く違う解釈になった。

吹き替えのエリオは幼すぎるし、
オリヴァーはおじ様すぎる、
17歳と24歳を表現できてない。

2人の
手探りな心のやり取り、
理解し合った後の心情、
吹き替えの日本語訳では足りなさを感じた。
2人の真の声で、絶妙な声の変化で、
字幕でじっくりじわっと理解するのがこの映画には合ってると思った。

日本語(慣れ親しんだ言葉)になると、
やっぱり言葉がスルッと通り抜ける感じがする。それが良い時もあるけれど、
この映画では違うと思う。

字幕では
『僕がどれだけ幸せか分かる?』
「分からない」なのが、
吹き替えでは、
『昨日は一つになれて幸せだった』
「そうなの?」
になる事にキレそうだった。

吹き替えは一生見ないと思う。

あと吹き替えになると環境音小さくなるので、風景とか音楽とかが重要っぽいこの映画は字幕が良いと感じた。
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