りりりりこ

君の名前で僕を呼んでのりりりりこのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

思っていたよりも想像通りでなく、思ってたより良かった。
好きか嫌いかで言ったらやはり「好き」な映画だった。

LGBT関連の作品はブロークバックマウンテン」とか「バッド・エデュケーション」とか「ブエノスアイレス」とか「シングルマン」とか、最近なら女性同士だけど「キャロル」とかもあったけど、好きなテーマで、この映画も予告観た瞬間に行くことを決めた。

こういうテーマの作品は必ずと言っていいほど周囲からの不理解や差別、偏見といった問題が出てくるんだけど、意外にもそこはスルー。
むしろ、エリオの両親は彼の気持ちに気づきつつ、温かな目で見守っており、肯定さえしてくれてる。それはもしかして「若い頃の感情はそのうち変化する」ことを彼らが見越してのことなのかもしれないけど。

エリオとオリヴァーの恋は決して自分はピュアなものとは思わない。同性同士だろうと異性同士だろうと、恋心はやはり肉体への欲望に基づいていて、それはそれでいいものだと思う。そりゃプラトニックに行くわけがない。

エリオが果物を使ってあれするあたり、この年頃は男子も女子もだけど、一度それを覚えたら欲望は止められないんだなと。
日本でこの描写したら生々しすぎてオエェと思うけど、気にならないから欧米人は得だな…。ルックスなのかなやっぱり…。
オリヴァーがエリオのその行為をむしろ可愛らしく、愛しいこととして思うあたり、恋は盲目。

エリオがガールフレンドと肉体関係を持ったと思ったらすぐ冷めちゃうのもリアル。そんなもんだよね、まあ。

恋の頂点で2人の別れの日が来て、その後あっさりとオリヴァーは日常に戻って行く。

当たり前といえば当たり前、彼は良くも悪くも大人なので自分がどうしなければならないかをきちんと知っている。
(ただ、きっと見えないところで彼は彼で苦しんだ末の決意だろうと思う)

傷ついたエリオもそのうち彼への想いも薄らぎ、いい思い出として振り返ることができるようになるんだろうな。忘れていくこと、それが切ない。
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