少年のがむしゃらに直向きに相手に向かう純粋さよ。まだ恋とも愛とも言えないが圧倒的な質量を増していく相手への思い、そしてそれが確かなそれらの感情へと変わり行く推移を、戸惑いともどかしさと切なさと甘やかさで描いていた。別れが訪れる事や同性である事、幸せな未来は訪れない事はお互いに理解していながらも確かに一時全ての幸せは存在していた。それは、君に名前を呼ばれたい、よりも、君の名前で呼ばれたい、つまり相手との一体化を望んだ彼等のお互いを求め合う気持ちが何よりの証であろう。
ただ凡ゆる要素が彼等全てを受け入れ暖かく演出し過ぎていてもう少し何かスパイスが欲しかった部分も有り。
何かで同性愛は最早障害では無い世の中、それ以外で障害となる大きな要素を入れなければ客は満足しないという文を読んだ事を思い出し納得した。まあ単に私が純愛はツボに来ないだけかも知れないが。
