このレビューはネタバレを含みます
エリオ、エリオ、エリオ…
オリヴァー、オリヴァー、オリヴァー…
君の名前で僕を呼んで、僕の名前で君を呼ぶ。
一言で言うなら、新鮮でお洒落なひと夏の恋の描き方。
1983年夏、北イタリアの避暑地。
80'sのイタリアの服装や街並み、小道具やセットが素晴らしい。
17歳のエリオとアメリカから来た24歳の大学院生オリヴァーとの出会い。
彼は考古学の大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らすことに。
澄み渡る青空の下、ごく自然に二人の距離は近付き、瞬く間に恋に落ちる。
オリヴァーの滞在が有期であるということを知りながらも。
エリオが奏でるピアノの旋律が恋の喜びと痛み、そのどちらも表現している。
そして夏の終わりと共にオリヴァーとの別れが訪れ、後にハヌカの日、オリヴァーから結婚の報告の電話がくる。
いつまでもずっとこのままで居たいピュアな17歳。同じ心情でありつつも家族や現実世界と向き合わなければならない24歳。この絶妙な年齢差と世間の"普通"が、二人を呆気なく引き裂いていく。
ラスト、エンドロールへと続くエリオの表情だけを映し続けた3分30秒もの長回し。
家族がディナーの準備をしているところを背景に暖炉を目の前にしたエリオの悲しい表情。
切な過ぎるコントラスト。
今でもエリオの表情とMystery of Love/Sufjan Stevensが脳裏に焼き付いている。
そして2人の関係に気付いていた父がエリオに語る台詞には感涙！
痛みを葬るな。感じた喜びで満たせ。
父曰く、昔同じ経験をし、その時感じた自分の気持ちを押し殺してしまった。
エリオにはその時感じた気持ちを恥じずにいて欲しい。二人の友達以上の友情は素晴らしいと。
お酒入って観てたので翌日そのシーンだけ観直した笑
どうやら数年後に続編があるとのこと。その時がきたらまた観よう。
