実話ベースだけれど無感情な傍観者に留まる
戦艦・航空機・潜水艦のCGがかなり安っぽく低予算なのは明らか。そのせいかニコラス・ケイジを主演に据えても(もしや彼を据えたから?)薄く浅くという感じで、米国側登場人物たちに感情移入するまではいかず(日本人だからそれはある意味当然かもしれないが)、彼らの漂流苦境場面は感情が沈黙したままの極めて冷めた傍観者的心境。
サメに襲われる場面も恐怖や疑似痛覚のかけらさえ生じなかったのだから、演出面における怠慢のそしりは拭えないようにも思われる。
そして、救出場面で終わるわけではなく、生き残った艦長の責任が問われる法廷劇へとなだれ込むのには正直げんなり。。(これこそが本映画の核心部なのにね)
というわけで映画の出来自体に関しては渋い点数とならざるを得ない。
しかし、これが実話ベースという点に関しては感慨はないわけではなく、実際の艦長以下乗組員らの写真を眺めるうちに沈痛さと厳粛さ、そしていくばくかの敬意を払いたくなる心境にもさせられた。
映画は星1つながら戦闘及び漂流中の戦死者、そして戦後の〝殉教者”への敬意をプラスして星三つ
012109