トール鉄

パシフィック・ウォーのトール鉄のレビュー・感想・評価

パシフィック・ウォー(2016年製作の映画)
2.0
原爆を運んだ重巡インディアナポリスの史実に基づいたお話。

よくいわれるCGのショボさは気にはならなかったが、それよりも構成と脚本が稚拙過ぎる。

インディアアナポリスが出航するまでの前半30分必要でしたかね?
登場人物を掘り下げるためにやったのでしょうけど、アメリカ人の愚鈍さを描いているだけで、アメリカ本国の人も感情移入できなかったのではないでしょうか?
中途半端な恋愛描写にも疑問。

潜水艦からの攻撃を警戒して、之字運動(ジグザグ航行)をするカットとか、もっと他に描写するべきところがあったはず。
冒頭も戦闘機である零戦の単独編隊が重巡に攻撃を仕掛ける謎のシーンもありましたし。爆装もしていないので、特攻機ではないし、重巡に対して機銃掃射???
しかも終戦間際なのに21型でした。史実をネタにするなら、最低でもググるべき。

本作のキモにしたかったであろう遭難シーンも、緊張感を出すための小道具にサメを使っているので、できの悪いサメ映画のような展開に。
本来は飢えと渇き、そして大洋に放り出された孤独感をメインに描くべきだったはず。

ドキュメンタリーを撮りたかったのか、史実を元にしたフィクションを撮りたかったのか、サメ映画を撮りたかったのか、全てが中途半端になってしまっていました。


ただ正直なところ、ここまでで1点台をつけるつもりだったが、終盤の伊58艦長との邂逅!これは素晴らしかった!この作品が何を描きたかったのか……全てが集約されているラストでした。
修正して2.0点としました。
トール鉄

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