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アイアン・ジャイアント シグネチャー・エディションのJIZEのレビュー・感想・評価

3.8
森の奥で好奇心旺盛の少年と鉄鋼型ロボットが最初に出逢う場面は身長差も相まってか絵的に象徴的である。また監督ブラッド・バードお得意のメッセージ性が仕込まれた"夢を持つ事"に対しても前に観た「トゥモローランド」同様に本作でも少年とロボットの間に心を通わせる勇敢なそのイズムが重厚に流れている。昔の長編アニメにしては少し浮き出た立体的な世界観も色んな想像を膨らませ魅力だった。

ブラッド・バードの特徴は常に子供が夢見たカラフルに彩られた世界の具現化を象徴しているようでちょっとした日常の光景なんかも上等に描写されている。例えば少年が暮らす街の暖かい雰囲気や森の奥で漂う肌寒い雰囲気など異化効果を実感できるうえにユニークな主張が絶え間なく盛り込まれてる。全編でクラシックな音楽の使い方や巨人がバーガーショップの看板に擬態する場面もうまい。政府がヴィランな設定も少年視点での勇気の物語であった。
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