emily

君の膵臓をたべたいのemilyのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.5
同級生だった桜良の言葉をきっかけに教師になった”僕”。今生徒の一人と話してる内に桜良と過ごした数か月間を思い出し語り始める。日記を偶然見たことで、病気であることを知り、そこから二人は一緒に過ごすようになった瑞々しい日々の数々。しかし大事な言葉は伝えられないまま彼女の死はあっけなくやってくる。12年の月日が流れ、親友の恭子も結婚を目前に控え、桜良のことを思い出していた。。

 二人の瑞々しく、笑顔の裏にある苦しみや悲しみを絶妙に見せてく演技に惹かれる。特に浜辺美波の自然体の小悪魔的やりとりの数々と、会話の間の取り方、印象に残る笑顔の数々、行間から見える悲しみ、シンプルなストーリーゆえ二人の演技なくしては成り立たない物語である。
桜良と出会う事で”生きる”事の本当の意味を知る”仲良しくん”。生きるとは人と人との繋がり、まどろっこしい事、面倒な事の全てが生きてるということ。今まで人との関係を絶っていた”僕”が彼女と出会う事で、その面倒な一つ一つが愛おしく貴重であることを、感じていく。少しずつ溶けていく表情の変化、それと共に、弱っていく桜良。

 命の終わりを知っていた二人、それでもまだ時間は残されていると思っていた。彼女が言った。「一日の価値は皆平等なんだよ」今日元気でも明日どうなってるかなんてわからない。だからこそ、今この一瞬を大切に、伝えたい気持ちは明日ではなく今伝えなくては、今日に後悔を残さないように。タイトルと二人の気持ちが12年越しに繋がった瞬間、涙が止まらなかった。そこにある二人の思い、叶わなくても、いや叶わなかったからこそその思いは永遠に永遠にあの時のままずっと生き続ける・・
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