どちらかというと小悪魔的要素の強い主人公は苦手なんだけれど、
物語の折り返し地点で、すっかりハートをがっちりキャッチされてしまった。
それほどに心を揺さぶられ、見入ってしまった作品。
彼女が彼にぶつけた言葉の数々は、
自分を保つのに必要だったんだろうな。
相手に言っているようで、
自分に言い聞かせていたように見えた。
「君の膵臓をたべたい」
これだけ聞くとインパクトのあるフレーズだけど、
彼女の葛藤や憧れや願いの全てここに詰め込まれているんだと思うと、
鑑賞後に思い出すだけでぎゅっと胸が締め付けられる。
映像の美しさに加え、繊細な心の描写を丁寧に演じ切った主演の二人、
本当に素晴らしかった。