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エベレスト 死の彷徨のhokaのレビュー・感想・評価

エベレスト 死の彷徨(1997年製作の映画)
3.0
私の旅人生で最大級の後悔は、キリマンジャロ5895Mだ。
ヒマラヤにも行ったが、山には時期が悪く、雨季で肝炎が蔓延してたので諦めた。

当時は山間部の標高1500Mの街に住んでいたので侮りがあった。
暇があれば3000M級の山にも登っていたし。他の国でも山小屋を渡り歩く縦走も何回か経験していた。

高度順応の知識はあったが、自分は大丈夫だと思い、最短コースを選んだのはコストを抑えたかったからだが、もう1日予備日を作るべきだった。

最終キャンプ地4750Mで異変を感じた。
呼吸が苦しくなるのは当然として、頭の中で幻覚かもしれないが、脳神経がピキピキ切れる様な音がする様になり、横臥しても寝てられなくなり、息苦しさは全く収まる気配がなくのたうち回り、このドケチな私が翌朝山頂を目の前に一目散で下のキャンプ地に引き返す羽目になったのだ。
あれは本当に情けなかった。

チョモランマは8848Mと、私の高山病の標高から更に4000M標高が高いので、その過酷さは推して知るべしだ。

14時に設定したのは、酸素残量の問題もあるだろうが氷河を縦走する場合、気温の上昇とともに雪崩の危険性も増すし、氷河のSnow bridgeも崩落する危険が増す。
映画にある通り、上昇気流で嵐になる可能性もある。
酸素欠乏で意識を保つのが困難になり、削がれた体力で下山しなければならない。

山に登るのは、山頂から見下ろす景色によりその達成感を全身で体感出来る事が大きいと思う。
標高が上がり、その達成者が少なければその魔力は相当だと思う。

ヒラリーの影響からか、ニュージーランドで商業登山を生業とする会社が6万5000ドルで登頂を請け負うのは、ハイリスクハイリターンの典型だろうし、Extreme wilderness activityには、Liability Waver も付き物だ。
只、彼等にも慢心による驕りと侮りがあった事は疑いが無い。
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