“Buonasera”
王様のレストランを想起させるエピソードを小皿でテーブルに並べ、それを女主人の視点でグラデーションの様に俯瞰する108分。
三谷幸喜さんを彷彿させるのは、1シチュエーションで舞台としても十分成立する構成だ。
アルトゥーロの店は繁盛している。
客の注文は、パスタとフライという糖質と脂質のハーモニーの利益率は決して高くないメニューで、地元の馴染みの客が多い。
外国人がアジア人(本当に日本人のつもり?)の親子だけで、子供までスーツ姿なのはTPOを型通りしか理解できないと揶揄したつもりなのだろうか?
男性はビジネスバッグを携帯していた様だけど、家族連れで出張?
裕福な壮年が欲望を解放するには、一寸庶民的過ぎる気もするが、その方が相手の警戒心を解きやすいのかも知れない。
女性はそれをスカしてかわしたり、攻撃したり、無自覚に追い詰めたり晩餐は進む。
リストランテなのに、最後の厨房での賄いが一番美味しそうだったのは良いのだろうか?