あんときの井上

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のあんときの井上のレビュー・感想・評価

4.5
傑作。

映画のお手本みたいな映画。

映画に登場するファムファタールの中でもTOP3には必ず入るであろう小明に相変わらず男心を掻き乱された4時間だったぜ...

小明は、人の帽子をかぶるように、人に合わせて自分を演技していた。そういう生き方しか選べなかったからこそ、世界も自分も変えることはできない、といった早熟な諦観の持ち主になったのだろう。

だけど、唯一、そんな小明の本当の自分を垣間見ることができるシーンがある。それは、オーディション撮影でカメラに映る時の彼女の表情でわかる。なぜなら、彼女が演技で泣いたあの涙は嘘偽りなく本物だったから(ヤバい、おれも彼女に騙されてる!?おれの庇護欲が...)。

今回は、ガジェットの扱いの素晴らしさに感心いたしました。キャラクターごとにアイテムの装備とそこに込めた念がある(ex.小四は指針を探す🔦から護る為に殺す🗡️へ。小四の父は小四に将来の👓を装備させたかった...等)。

小四は今も何処に存在していて、小四みたいな子は今も何処で存在をおし殺してる😭
あんときの井上

あんときの井上