若大将オーウェン

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版の若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

-
4時間の映画。途中休憩なし。しかもいわゆるエンタメ的な作品ではないし、深い深い暗闇に飲み込まれそうになる映画です。でも見ている間は4時間の長さを感じさせない。
あっという間だったとは言いません。1シーン、1シーンを噛みしめるように見て、振り返れば4時間ではもちろん収まらない1人の少年の人生を見ました。
宮崎駿が少年を主人公にしない理由について悲劇性をあげていた。少年は悲劇的にならざるをえないと。この映画はまさに少年の悲劇性を見事に描いている。
話は決して分かりやすくはない。幻の傑作と呼ばれているのに、話が追えないところや因果関係など分からないところもあって自分の能力のなさに落ち込んでいたが、レビューを見ると珍しくはないようなので少し安心した笑
ある程度予備知識を入れて見たほうが楽しめるのは確かです。
でもこの映画は例えストーリーが分かりにくい場面であっても、撮影、証明、カッティングなど画面を構成する要素がいちいち素晴らしく飽きさせない。
舞台は1960年代の台湾なのに、何故こんなに彼らをずっと前から知っているように思えるのだろう。
女の友情はあーだこーだ言われがちですが、男の友情だって超めんどくさいよなぁと感慨深かったです笑
時間が経つほどにもちろん上映時間も含めて忘れられない映画体験になったなぁと思います。