ゆみモン

羊の木のゆみモンのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.5
山上たつひこといがらしみきおによる、第18回文化庁メディア芸術祭優秀賞(マンガ部門)に輝いた問題作を、アレンジを加え実写映画化。

殺人歴のある元受刑者の移住を受け入れた過疎の町を舞台に、移住者の素性を知らされていない町の人々の日常がゆがんでいくさまを描く。

奇抜な設定だが、なかなか面白かった。それぞれの元受刑者と、雇用主や地元民との関わりの中での微妙な変化が描かれていく。
しかし、6人は多かったのではと思う。どうしてもエピソードに多寡が生じてしまう。3、4人に絞って、深く描いてほしかった。

錦戸亮は、気の弱そうな市役所職員・月末にピッタリだ。
そして、6人の元受刑者の中では、なんと言っても松田龍平演じる宮腰が最も不気味だった。
宮腰が月末に向かって「それは友だちとして?市役所として?」と尋ねるのが切ない。
松田龍平のこういう役は好きだ。

罪と罰、人間の更生…などについて考えさせられた。