陰謀論者X

羊の木の陰謀論者Xのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.0
仮釈放となった元殺人囚を過疎化に喘ぐ地方に組み込んでいくという国の極秘プロジェクト。超高齢化社会に突入して、益々地方が寂れていく現代日本においては妙な説得力があります。

魚深市(富山県の魚津市がモデルか?)にやって来た元殺人囚は6名。この6名によって生じる不穏感に満ちた展開が実に魅せてくれます。どれもクセのあるキャラクターでラーメンや酒を「幸福の黄色いハンカチ」の高倉健ばりに実に美味そうに飲み食いする水澤神吾や、恋愛体質で半身不随の老人にモーションをかける妙にエロい雰囲気の優香も良かったですし、ヤンチャなヤクザを演じさせたら上手い北村一輝も、物静かな雰囲気の中に狂気を漂わす宮腰役の松田龍平も実に良かったですね。錦戸亮の小役人の演技も自然で良かったです。

この魚深市は「のろろ様」という地元の神様の銅像を岬に建立して祀っているのですが、見た目が実に不気味で終盤にあっと驚くような働きを見せてくれました。のろろ〜⤴︎😇

ラスト、魚深市民として溶け込んでいく元殺人囚たちの姿が救いであり、気持ちの良いシーンでした。
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