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フェンスのMiiのレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
4.0
これはなんともずっしりくるやつ。
またまた何の前知識もなく借りたから、
話のパンチの重さにため息が出た。 
家族、夫婦、人と人の繋がりを深く考えさせられた。
男って勝手だな、って思ったし。
何でも正直に話せばわかり合えるわけじゃない。
私だったら耐えられないし、許せない。
でもローズはどこまでも強くて。
自分の歩んできた道のりを決して否定せず。
与えてきたものや時間より
与えてもらったものをちゃんと大事にしようとしてて。
自分、ちっちぇーな、って(--;)
誰と一緒になったって不満は出る。
これで良かったのか、この人で良かったのか…お互いにそんなこと考える瞬間はあって。
それでもこれで良かったんだってまた前を向いて。
そうやって時間は続いてく。
きれい事だけじゃ家族なんてやってらんなくて。
母親には母親の、母親になる前に過ごしてきた過去があって。
父親には父親になる前の過去がある。
過去は切り離せないし。
その過去の経験が今の生活を邪魔をする時もあって。
人生って重たいって改めて感じた。
役割って、責任って。
なんなんだろうな…。
私は大した人間じゃないから。
手も抜くし、母親だからって全てを犠牲にしようとは思えないけど。
それを全うしようとすることはどれだけ
息が詰まるんだろう、って思った。
なりたい自分と今の自分。
そのギャップが大きければ大きい程苦しむんだろうな。
時代ももちろんあるんだろうけど。
今を生きれてしあわせなのかも。
少なくとも結婚して子供を生んでも。
私は全てを家庭に捧げてないし。
(声を大にして言えることではないけど)
それを求められてもいない。
自由になれる時間は少ないにしてもあるにはある。
離婚しようと思えばできるし。
(いや、かと言って離婚は考えてないけど)
離婚が珍しい時代でも。
離婚して女が生きていけない時代でもない、うん。

今年観た映画の中ではズバ抜けて考えさせられる映画だった。
こりゃー深い。
Mii

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