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ムーンライトのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.3
シャロン(アレックス・ヒバート)は、学校で“リトル”というあだ名で苛められている内気な少年。
ある日、いつものようにいじめっ子たちに追われていたところを、麻薬ディーラーのフアン(マハーシャラ・アリ)に助けられる。
何も話さないシャロンを、恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)の元に連れ帰るフアン。その後も何かとシャロンを気にかけるようになり、やがてシャロンも心を開いていく。
ある日、海で“自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな”と生き方を教えてくれたフアンを、父親のように感じ始める。
家に帰っても行き場のないシャロンにとって、フアンと男友達のケヴィンだけが心を許せる唯一の“友達”だった。
やがて高校に進学したシャロン(ジャハール・ジェローム)だったが、相変わらず学校で苛められていた。
母親のポーラ(ナオミ・ハリス)は麻薬に溺れ、酩酊状態の日が続く。
自宅に居場所を失くしたシャロンは、フアンとテレサの家へ向かう。“うちのルールは愛と自信を持つこと”と、変わらずにシャロンを迎えるテレサ。
ある日、同級生に罵られ、大きなショックを受けたシャロンが夜の浜辺に向かったところ、ケヴィンが現れる。シャロンは、密かにケヴィンに惹かれていた。月明かりが輝く夜、2人は初めてお互いの心に触れることに……。
しかし翌日、学校である事件が起きてしまう。その事件をきっかけに、シャロン(トレヴァンテ・ローズ)は大きく変わっていた。
高校の時と違って体を鍛え上げた彼は、弱い自分から脱却して心身に鎧を纏っていた。
ある夜、突然ケヴィン(アンドレ・ホーランド)から連絡が入る。料理人としてダイナーで働いていたケヴィンは、シャロンに似た客がかけたある曲を耳にしてシャロンを思い出し、連絡してきたという。
あの頃のすべてを忘れようとしていたシャロンは、突然の電話に動揺を隠せない。翌日、シャロンは複雑な想いを胸に、ケヴィンと再会するが……。
アカデミー賞作品賞受賞作品。
ドキュメンタリータッチの自然な映像美、麻薬や暴力が蔓延し弱い者が弱い者を傷つける黒人社会のリアルな実態、セクシュアリティを越えた友情と愛情の間のような人として信頼し求め合う絆、人としての絆の大切さをしみじみ噛みしめたくなるヒューマンドラマ映画です。
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