LEONkei

女神の見えざる手のLEONkeiのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.0
女神か悪魔か…人間か。

まるで武装するかのようにハイブランドで全身を固める〝エリザベス・スローン〟は、サンローランの黒のテーラードスーツに白のプチカラーブラウスで氷の微笑みを浮かべながら政治ロビイストとして先見の明を携える。

Michael KorsのコートやGIAMBATTISTA VALLIのブラウス、Victoria BeckhamのワンピースにOscar de la Rentaのガウン、Burberryのトレンチコート、Alexander WangやSergio Rossiのパンプス、そしてハイジュエリーのPiagetで完全なる女神と化す。

しかし一体、誰のための女神なのか…。

一見冷酷で血も涙もない〝スローン〟のようにも映るが、単純に顧客のためだけの女神と言うには安易な気がする。

《赤》は愛・情熱・積極的・興奮…そして漲る生命を連想させるカラー。

同時に争い・怒り・爆発・色情…そして悪魔。

深み有る艶やかな深紅のリップが印象的な〝スローン〟は、このメイクだけで映画の肝であり確信でもある。

女神か悪魔か…人間か。

深紅のリップを落とした時、女神が生身の人間の姿に唯一戻るときで、彼女も弱さをもった人間だとホッとする。

人は皆、一歩社会に出れば何かで武装して生きている..★,
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