MayuShimada

薔薇は死んだのMayuShimadaのレビュー・感想・評価

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)
3.5
わりと面白かった、うん。

電車数駅ぶん先のバイト先への足賃も出せないほど貧乏な暮らしを経験した私としては、自分らしく生きるのにはお金が必要、というエルザの考え方にはある程度同意できる。
私にはエルザがそこまで悪女のようには見えなかったんだよね。自分の幸せを追及したんだよね。んで、仕事柄、愛というものを一番に大切にできるほど信じてなかったんだろう。
んー、わかるよその気持ち。結局愛じゃ食ってけないんでね、世の中。

タイトルの薔薇の文字で連想したのはマリア信仰、処女性、母性、あとは美しさ。
ローザはマリア信仰してましたね、たぶん。
薔薇は死んだってことは、もちろんエルザのことも指しているだろうが、そういう純潔で慈悲深い部分、美しい部分が死んだってことなのでは。
つまり、カトゥの最後の強気な目線は、これから私は自分の人生を勝ち取るわよ、という決心の現れであり、嫌って決別したはずのエルザにがっつり影響を受けた印なのでは。ちょっと贅沢味わったわけだし。
て、薔薇は死んだって邦題ですけどね笑

そう思うとやっぱり、エルザの生き方は他人を不幸にもするがなかなかかっこいい生き方だなと思う。
堂々としていなさいって台詞にぐっときてしまいました。

ドレスと髪型と帽子の角度が粋。
MayuShimada

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