本作は河野裕さんのライトノベルを、野村周平さん、黒島結菜さん、平祐奈さん、健太郎さん、玉城ティナさんという旬なキャストで、「神様のカルテ」シリーズの深川栄洋監督が２部作で映画化した前篇。
住民の半数以上が特殊能力を持つ閉ざされた街・咲良田を舞台に、見聞きしたことを完全に思い出す「記憶保持」能力を持つ浅井ケイと、世界を最大３日間巻き戻す「リセット」能力を持つ春埼美空のコンビを中心に、この前篇では不慮の事故で亡くなったクラスメイトを生き返らせようとする彼らの姿を描いていく。
この作品の様に特殊能力を持つ若者たちの戦いや青春を描いたものというと、洋画では「X－MＥＮ」シリーズ、邦画では同様に黒島結菜さんが出演している「ストレイヤーズ・クロニクル」、「映画 みんな！エスパーだよ！」がある。
これらの作品では、能力を持つが故の葛藤がパワフルなアクションやスリリングな展開と共に浮き彫りにされるが、本作ではそういう要素を盛り込みながらＲＰＧの様に物語が進行する。
それは劇中で発せられる言葉、「リセット」と「セーブ」が象徴するように、ゲーム中に“Ｆａｉｌ”し、“Ｒｅｐｌａｙ”して“Ｃｌｅａｒ”出来たら“Ｓａｖｅ”する感覚に近い。
この作品にオールマイティーな能力者は登場しないが、各人が特異な能力を発動出来るので、咲良田では彼らが力を暴走させないようコントロールする公的機関“管理局”がある。
ケイ達は管理局の下部にある「奉仕クラブ」に属しているが、悲しい思いをしている人を救うという使命感の下、時に管理局に背いたり、出し抜いたりする。
特に主人公のケイは、“目的達成”の為に「記憶保持」能力だけでなく、時に権謀術数を駆使し、“ゲームのコンボ”の様に様々な人々の能力を組み合わせて挑んでいく。
ケイ達は果たして“悲願”を達成することが出来るのか？
前篇の最後には、作品に張り巡らされた伏線が一気に回収されるような意外な事実が待ち受けています。
