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エゴン・シーレ 死と乙女のayaのネタバレレビュー・内容・結末

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

何が美しいって、衣装やインテリアや景色よりもモデルの女性達よりもエゴンシーレが美しい。
見惚れるほどに。

彼に夢中になっていく数々の女性達とシーレが過ごした日々を描いている。

彼の作品も知らず、芸術家とは、ということにもあまり理解のない私には、ものすごく自由なものすごいイケメンと彼に愛されたい女性達の日々という印象が強かった。けれども時代を彩る景色やインテリア、美術品は美しく、序盤の踊り子や友人と過ごす日々には若さと脆さを感じ眩しくなった。

絵を描くことが第一でそのために必要なのはモデルであり、ある特定の女性ではない。芸術への情熱はすごい感じるがシーレの人への愛情の部分の感情がいまいち読み取れず。ヴァリが一番シーレを理解し、嫉妬にも狂わずビジネスパートナーとしても最高だったのでは?2人の別れ、特にヴァリの涙には胸が苦しくなる。
芸術家わからん。モデルが必要だからヴァリと別れてお隣さんと結婚するって!私がヴァリだったら怒り狂う。

そんなところをみたら最低男のシーレだけれども、けっこう優しい人なんだよなー、芸術に対する情熱がすごいだけなんだよな、なんか仕方ないのかな、って気分にさせてくるからいい男っていうのはすごいと思う。
自分が被害を受けてないからそう感じるだけなんだろうか。悪い男なら悪い男に振り切ってほしいが、そうもいかないのが実話故なのだろう。

死と乙女のタイトルには納得。
ヴァリとシーレの幸せそうな日々をずっと見ていたかった。
そしてシーレの死に顔は見たくなかった。

1人の美しい画家の生涯。
類稀なる才能と彼を支えた女性達の話。
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