すずり

ジェーン・ドウの解剖のすずりのネタバレレビュー・内容・結末

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【概略】
家業として検死官を営むトミーと、息子で見習いのオースティン。
ある嵐の夜に、彼等のもとに身元不明の女性の遺体[Jane Doe]が運び込まれる。
慣れた手付きで解剖に取り掛かる彼等だったが、その遺体にはおかしな点が幾つか存在して...
というお話。

・・・

【講評】
[Jane Doe]とは、日本でいう所の"名無しの権兵衛"の女性版ということらしいです。
身元不明の女性の遺体解剖という意味合いになります。

本作は、この"解剖"というシチュエーションから着想を得たであろう変わり種ホラー。

肺だけが焼けていたり、
謎の土が付いていたり、
前半のなんとも言えない不気味さの漂う解剖シーンは、ミステリ的な要素と恐怖が程よく絡み合っており、非常に秀逸で良かった。
が......
やっぱり悪魔モノになっちゃうんだよね〜〜〜〜
ガッカリ感は否めない。
何回悪魔を擦れば気が済むんだよ!!!

って、日本出身の私は思ってしまうのですが、キリスト教圏だと悪魔という存在がやはり王道で恐怖の対象なのでしょうね。
それにしても擦りすぎだと思うけど。


また、超余談ですが、医学部では基礎医学の講義の一環で死体解剖をします。
最初は戦々恐々としている学生達も、来る日も、それこそ何十時間と死体と面を合わせている内に慣れていき、最終的にはトミー達のように慣れた手付きで、雑談混じりに解剖するようになります。
作中のように、肋骨をでっかいハサミで切ったりも実際にしますし、頭蓋骨を切り落としたりもします。
(ちなみに1番心に来たのは性器の正中離断です。自分のが縮み上がりました。)

ただ、実際の解剖室は凄く無機質な照明だけの部屋で、非常に清潔な空間です。
流石にあんなに汚い感じではありません。

何はともあれ、良くも悪くも解剖の記憶が蘇る作品でした。
「あーそうそう、こんなんやったな〜〜!」って楽しく観てたのですが、はたから見ると凄くやばい人ですね。
どんな事も慣れてしまう、人間が一番怖いということかも知れません。

【総括】
死体検案という特殊なシチュエーションを題材にした一風変わったホラー。
後半から少し残念かも
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