予想を大きく超えてくるポップなカルト映画だった。これはジワジワくる。映画や音楽カルチャーへのオマージュの詰め込みがわかる人には嬉しいかも。
冴えない陰謀論者が暗号解読して壮大な謎を解きながら自分自身とも葛藤していくのだが、なんかもう不思議の国のアリス並に支離滅裂なシルバーレイクに住む奇妙な人々が凄いインパクト。でもハリウッドってあながち嘘でもなくこんな感じなのかも。
現実と虚構を絶妙なレシピで混ぜた、ある意味説得力のあるストーリーだった。ハリウッドの闇と光、エンターテイメントと消費社会、キラキラした成功者たちと家賃を滞納してそこを追い出されそうな主人公に監督が自分を投影したのであれば、人間の成長物語とも取れる多面性もある、一見支離滅裂で不思議なテイストだけど、軸にある起承転結は揺るぎなかったりして面白い。
これは2度目3度目にまだまだ発見がありそうな映画だな。
