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ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のメルのレビュー・感想・評価

3.9
天才的なピアニストやヴァイオリ二ストでさえも技術だけでは成功できない。十分な体力と並外れた精神力が必要だ。

ましてやバレエダンサーともなるとスポーツ選手と同じく「心・技・体」がバランス良く揃っている事が本当に大事なんだと痛感した。

史上最年少で英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルになり、人気絶頂の22才で突如退団したウクライナ出身のセルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー。

母親が撮影したホームビデオの中で楽しそうに踊るセルゲイ。
しかし、あまりにも素晴らしいバレエの才能があったばかりに、バレエによって家族が引き裂かれたという思いに囚われた10代。

トップの座に立ちながら「何のために踊る?」という疑問に答えが出せなかった20代前半。

息子の才能を信じて世界に送り出した母親。
学費を稼ぐために外国まで出稼ぎに出た父親と祖母。
それぞれのインタビューが興味深く、仕送りをするだけで何年も息子に会えなかった父親の言葉は特に胸に沁みた。

スクリーンに全てをさらけ出し、新しい一歩を踏み出そうとしている彼に声援を送りたい。

映画館には何故か男性が多くて、私の列は私以外が全員男性という珍しい状況でした。
皆さんダンサーなのかしら…とチラチラ見てしまった(^_^)a
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