東京~茨城を往復しながら暮らすも居場所の無さを痛感し周りの変化も心に刺さるなど青春の終了を感じながらも、唐突に終了の時間を告げられた主人公の悲劇。変わりゆく自分と社会の変化から来る切なさと苦しさが画面から伝わり、見ている間主人公のヒロイン同様心が痛くなってくる。
車から花火で遊んだり、バイクや80年代の文化のなど同時代の青春映画よりも台湾ニューシネマの作品群を思わせる演出が主人公の空虚な心を映し出す。あと後半、ゲームセンターの画面の光を浴びた主人公の不気味な顔が主人公の結末を暗示する演出が見事すぎて怖くなってしまった。ラストの川も『小早川家の秋』を思わせてゾッとさせる。
でもこれは他のレビューの人も言っていたように、青春映画としては傑作だけれどポルノとしては及第点だと思う。確かに主人公を演じる井上麻衣のおっぱいは綺麗だし絡みも工夫されているけれど、生きづらさや苦しみを抱えて生きる登場人物の感情が興奮を抑制させるし終わってみるとラストシーンのインパクトにすべてを持っていかれてるのがね。