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最後の谷のmhのレビュー・感想・評価

最後の谷(1970年製作の映画)
5.0
三十年戦争(1618‐1648)が題材の戦争ものというより歴史もの。
・当時の戦争
・カトリックVSプロスタントの対立
・魔女狩り
こんなあたりがモチーフになってる。
虐殺と移動を繰り返していた傭兵団のキャプテン、マイケル・ケインに取引を持ちかける教師のオマー・シャリフ。やがてその関係は主君と参謀のようになっていく。
ならず者をまとめあげているマイケル・ケインの血も涙もないリーダーシップと、機転を利かせて交渉にあたるオマー・シャリフの対比が素晴らしい。
三回ダイスを振って和が大きな方が勝ちというくだりが最高でした。(賭けの対象になっている女に目を読ませて、マイケル・ケインは目を読まない)
周囲は戦争と飢餓で大変なことになっているけど、この谷だけ平和という設定がにくいほどうまい。
魔女狩りで女が殺されて、そこに満身創痍のマイケル・ケインが戻ってくるクライマックスもすごい。
そこにある混沌と無情が、戦争の本質を暴き出している。
マイケル・ケインの自信作だったけど、大コケしたとのこと。
IMDBでも「これは傑作、なんで埋もれてんだ」とみなさん口を揃えてるんだけどおれもそう思う。これは傑作。なんで埋もれてんだ?
mh

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