おどろきの白鳥

太陽の塔のおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

太陽の塔(2018年製作の映画)
3.4
NHKの記録映像などとは一線を画し、非常に哲学的かつ、思想的な内容です。
また、映像的には引き付けられる部分があります。

哲学教授や美術研究家など様々な分野の専門家やアーティスト、クリエイターが、それぞれが「太陽の塔」のルーツや目指す未来などについて、分析したことを話す、インタビューフィルムでした。
リアルタイムで万博に行った世代や、岡本太郎氏の教え子世代が多く登場。
対になる「明日の神話」に踏み込んで、万博では原爆の悲惨さを展示したスペースがあったことを足掛かりに、311における原発事故にまで話は及びます。


太郎の遺した書籍やインタビュー集、テレビや映画の出演映像からの引用もあり。
自発的隷属を好み、自ら相互監視や規制推進をしてしまう日本人の民族性を太郎は否定的に見ていた云々… といった内容には「うん、そうだね」と思いもしたが…

反原発を筆頭に、『こう思ってたに違いない』って結論をくっつける部分に、「死んだ人を自分たちの考えに利用すんなよ」と反発したり、眠くなったり。
人によっては腹立ちもし、時間の無駄ともとれる内容かもしれません。
正直、面白いつまらないという基準軸より、果たしてここに作る意義があったのか?
今の時代になぜこの映画を作ったかだけはわかったような気がしましたが、独りよがりな正義の押し付けだったような気もしなくもないです。