ゆき

退屈な日々にさようならをのゆきのレビュー・感想・評価

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)
3.8
エゴ側の人間

紐状態の自称映画監督。酔い潰れた飲み会帰りの出会いが日々を変え始める。父の跡を継いだ会社を閉めた太郎。双子の弟は18歳から行方不明。弟の恋人からの連絡で事実を目の当たりにする。

そこにはその人の、その人なりの日常がある。
灰、ブランコ、泥。白が少し汚されて、真っ白のままいられないのが日常。
いらないセリフや映像で溢れてるんです、でも嫌味がなくて140分があっという間だった。
行き来する時間軸と、重なる時間軸。
棒読みでガチガチの演技と、ただただ松本まりかの凄みに目を丸くしたいくつものシーン。
ふふっと笑って気を緩めてたら、ぐっと心臓掴まれるシーンが投下されてまた緩められて。なんて拗れた展開なんだ。
殺せるほど人を愛せてないし、埋められるほど人を愛せてない。けど、死をもってではなくて、「生」の中で退屈から抜け出したい。退屈にさようならをしたい、私なら。
ーー関係性に意味なんてない。
ゆき

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