観々杉

ビリディアナの観々杉のレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.7
修道女の慈善と堕落した人々の交流。本作の内容が不誠実かつ冒涜的だとしてバチカン市国から批判を受け、スペインでは長らく上映禁止の措置が取られていた。その上、本作とカンヌでの受賞はフランコ政権下で存在しないこととなり、映像の破棄の危険性さえあった。行為としての不貞や最後の晩餐の模倣のような露骨な演出に留まらず、あらゆる場面で冒涜的かつ性的な隠喩が張り巡らされている。俳優たちの演技が優れており、装飾は美麗ながら会話から生まれる退廃的な空気感が強調されている。他の有名なブニュエル作品と比べストーリーがわかりやすく芸術的な見方が苦手な人でも楽しめる一作。
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