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At the terrace テラスにてのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)
4.2
それは、笑い声がさざめくいつものパーティーのはずだった。東京近郊、とある豪邸のテラスで、富裕層が集まる宴がそろそろ終わりの時間を迎えようとしていた。
しかし、人々には帰れない理由があった。透き通るような色白の女性・はる子(平岩紙)の白い腕の周りには、まるで蛾のように男たちが寄ってきて離れない。
豪邸の持ち主である専務(岩谷健司)とそのイケメンの息子(橋本淳)。エリートだが恐らく童貞の会社員(師岡広明)に、胃を切り取ったばかりの中年男(岡部たかし)。
そして、グラフィックデザイナーである彼女の夫(古屋隆太)……。
さらには、そんな男たちを冷めた目で見つめ、はる子に嫉妬の炎を燃やす美しい専務夫人(石橋けい)。
それぞれの妄想を胸に秘めたパーティーの出席者たちが、他愛もない会話を繰り返すうちに導き出されるとんでもない結末とは……?
ワンシチュエーションで大勢の人々の嫉妬や見栄や欲望が交錯する群像劇というと、三浦大輔脚本の「愛の渦」「恋の渦」「何者」を思い出すけど、この映画は全員セレブというのがハイソサエティ独特な上品な感じだけど、周囲の男たちが平岩紙演じるはる子の色白な美しさに夢中になっているのが気に入らない専務夫人とはる子の嫉妬や当てこすりのぶつけ合い、そしてはる子と夫のぶつかり合いをきっかけにてんやわんやがカオス状態になり、予想外な結末に雪崩れ込むまでを、キャラクターの嫉妬や見栄や欲望が見え隠れするリアルな掛け合いで描き抜いていて、三浦大輔のような派手さやイヤな感じがないけど、隠れた傑作シチュエーションコメディ映画です。
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