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At the terrace テラスにてのmのレビュー・感想・評価

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)
4.6
原作の舞台を『映画的』にアレンジするでもなく、これ絶対そのまんま下北でやってたでしょ!って感じのワンシチュエーション演劇っぽさで衒いなく堂々とやり切った潔さ!(役者の発声は映画仕様に若干チューニングしてるだろうけど)

抜群に巧い実力者達の上質な演劇を良いカット割というガイド付きで特等席から舐めるように観察できる、その贅沢をとことん愉しめばいい。もうそれだけで充分愉しい、滑稽な大人の冷笑劇。観ながらひたすらハハハと乾いた声を出して笑ってた。全役者も脚本も演出もみんなひたすら超絶に巧くて惚れ惚れする。カット割の工夫も時折挟んでくれるので良い。


平岩紙のことを艶っぽいだなんて思った事一度も無かったのに、計らずもちょっと艶っぽいだなんて思ってしまった。キレた感じもクール。あの二の腕の白さが当て書きからなのか、それとも白くしてるのかが気になる。
そして石橋けいの大人気なくて嫉妬深いキャラクターはもうひたすら人間臭くて可愛い。

ちゃんとロケ地と美術の作り込みと照明で金持ってそうな人達の世界観を作れていたのも良かった。


ラストシーン、そして劇中一番のクローズアップになるラストカットが笑撃的。「友だちのパパが好き」に続く『色々な愛』の話でもあった。現場にたまたまいたムササビ(CV:たぶん監督)がキャスト・スタッフを紹介してくれるカーテンコールもなんか好き。
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