yuno0508

オリエント急行殺人事件のyuno0508のネタバレレビュー・内容・結末

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

美しい だからこそより切ない
原作からの変更点もなかなか映画的で良かったと思う
みんなで刺していくシーン、赤と黒だっけな?フルカラーで撮ってるんじゃなくて回想としてみんなの表情を写していくだけだから、残忍さとかは感じないし、それよりもみんなの憎しみと悲しみが伝わってきてすごく悲しいシーン、哀れみを感じるシーンだった…
1つの罪のせいで多くの人生が狂ったけど、これで1つの事件の幕が完全に降りたし、これからみんなが少しずつでも明るい方向へ歩めたらいいな

あと最後のあのみんなでトンネルの中に並んで座ってるのって『最後の晩餐』の構図だよね?すごくよかった モチーフを正しく扱っている感じがして。
寄りかかったりヒソヒソ話ししてるのもまさにあの絵だった🖼 効果的だったと感じる。

サー・デレクの温かみのある風貌が好きだけど、死を覚悟したそういったさっぱり加減もあってよかったな 執事にぴったり

ジョニデ、ならず者感が良かった〜!そして唯一の悪人 あの渋みのある声と色気はやっぱりかっこいいなぁ 彼だけがなんだか人間性に深みを感じなかった 話の中心の人物なのに、、彼の人柄を知るシーンがなかったからかとも思うけど、やはり人間的な魅力のないキャラクターに思える 善と悪なら悪の人間で、しかもシンプルに悪い だからこそ厚みのあるキャラクターには感じないのかもしれない。

デイジー・リドリー、聡明で美しくて、儚さと強さを持ち合わせた女性だった メイクのこともあるけど、スターウォーズとは全く違うように見える。可愛かったな 。

ジョシュ・ギャッド、小心者というか…なんというか…ずっとこう、不機嫌そうだし人生の理不尽さのようなものを感じてきた人生を歩んで来たのだろうと思った
アルコール中毒みたいな感じだし 感情的にポワロに追い詰められるけど、その分彼も取り乱して、すごく悲しかった お父さんの落ちていく様を見るのって絶対やだよね。

ペネロペ・クルス、すごくセクシーな女性なのに、今回はそれが一切ないのがそれもまたなんというか魅力的…野暮ったい女性で、確かに綺麗だけど覇気がない感じが!自責の念に駆られて泣き出すシーンがすごくかわいそうだった。

ジュディ・デンチ、高貴だけど小うるさく、しかし愛情もある女性だった。でもそれはあの事件で凝り固まっちゃったもので、柔らかさのあった人なんだろうな、と思った

バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニン、美しかった〜 ルーシー・ボイントンと並ぶとまさにあの時代の美しき人々でベルエポックっぽくて、、ダークで美しい空気がよかった 氷の王とスミレの姫みたいな2人
ルーシー・ボイントンは特に!昔の白黒映画の女優さんとかモデルさんみたい。夢遊病みたいにふわふわしてて儚くて守ってあげたくなるけど少し怖い女性 美しくて可愛くて、切なかった。

ミシェル・ファイファー、下品な美魔女かと思いきや、思いつめてはち切れた人だった この計画に全てをかけて、時間をかけてここまで来たのが、、それだけを胸に生きてきたのがまた切ない
美しくて才能のある人だったのに、娘も孫も、幸せを奪われて自分も死にたいぐらいだっただろうに 目力が素晴らしかったし、いつまでも美しいね。

トム・ベイトマンのあの軽薄な感じ好き なんかセクシーだし遊ばれたいな〜って思っちゃうくらいだったな カッコいい
何か他の映画かドラマでも同じような役をやっていたような気がするけど似てる人かも。ポワロに気兼ねなく話しかけていて可愛かったな 友達として見ている感じがしてよかった。

そして何と言っても!!!ケネス・ブラナー!!!彼は天才だ。
ああ最後のシーンが目に浮かぶ。窓から顔を覗かせる乗客たちの複雑そうな顔と、夕日に向かって去っていくオリエント急行。背を向けて歩き出すポワロ。善悪の天秤⚖をかけることはできないこの事件は彼にとっていつまでも記憶に残るのだろう。
こんな凄い人いる? フランス訛りの英語すごかったなぁ そしてドイツ語もかっこいい
本を読んでいる時のポワロかわいい
ジェントルマンな笑み、素敵だった。そして追い詰められてかつての美しき恋人と思い出に浸り、すがる弱い姿も美しかった。

あれがエルキュール・ポワロだったかと聞かれると微妙かもしれない。でも他に新しい部分もあるし、1つの映画作品として見ればやはり魅力的だった。

この映画ではやはり、全員の人間性やこれまでの歩み、苦悩が見て取れる。原作者のアガサクリスティーのなせる技かしら。
そして誰もいなくなったを思い出した。
本をもう一度読みたいし、ディスク化したら欲しいな。とても良かった
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